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2023.05.29

いわきで古民家再生する前に押さえておきたいポイント

いわきで古民家再生する前に押さえておきたいポイント

福島県いわき市でも空き家が増え、古民家と言われる住宅を目にする機会が増えたように感じます。
地域によっては、空き家活用プロジェクトや移住先の家としての利用を推奨しているところもあるようです。
また、まちづくりのデザインとして敢えて古民家を活用するといった考え方も素敵ですよね。
ここでは、古民家再生の概要とメリット・デメリット、古民家再生の流れなどを主に解説しています。
いわき市で古民家を再生したい方はぜひ参考にしてみてください。

古民家

 古民家再生とは?

古民家再生という言葉は大きく分けるとふたつの意味があります。
「古民家再生」というワードだけを聞くと、古い年代物の建物をフルリノベーションするといった
イメージが先行する方も多いのではないでしょうか。
使う人や使う場面で意味は異なるため一概には言えませんが、
最も一般的な意味としては損傷や痛みが目立つ古民家を元の状態に戻すことと言えるでしょう。

古民家リフォーム

構造などには手を加えず、機能だけを使えるように元の状態に戻します。
例えば、水回りのリフォームなどが多く該当します。
年代物のキッチンやお風呂、特にトイレに関しては和式や汲み取り式の場合が多いため、
様式の水洗トイレへリフォームするケースが多いです。
人が住んでいなかった古民家を住める状態に戻すイメージです。
比較的、大掛かりなものよりは小規模なリフォームでとどめることができるので、
コストを最小限で抑えたいという方はいいかもしれません。

和式トイレ

もう一方の古民家再生は、内装の再生を意味することでもあります。
具体的には、内部の構造を解体して再構築するリノベーションと言えるでしょう。
例えば、趣のある柱や梁などにあわせて壁や床を変更したり、
2階部分を取り払って平屋建てに変更するなどが該当します。

古民家の梁

良いものは残しつつ、新たに再生させる。
まさに「リフォーム」と「イノベーション」を合わせた「リノベーション」そのものかもしれません。
古民家の状態によって、床の沈みや建て付けの悪さを調整するなど、不具合を修正することも含まれ、
それなりに大規模な工事になるため、古民家の劇的な変化を期待できます。

床のリフォーム

 古民家再生のメリット・デメリット

古民家再生を考えた際に注意したいのが、メリットとデメリットです。
検討されている方は、以下の特徴を把握した上で、古民家再生を検討しましょう。

メリットデメリット

古民家再生のメリット

古民家再生の最も大きなメリットは、趣のある住宅を自分好みにリフォーム・リノベーションできるということです。
新築住宅では実現が難しい古民家独特の風合いや、時代を感じる立派な梁や柱など、
古き良き情緒が溢れるこだわりのマイホームに仕上げられることでしょう。
例えば、経年で色艶を増した梁をあえて見せれば(梁あらわし)唯一無二の空間になります。
経年変化をした無垢材の美しさは人工的には創れない逸材です。
こだわりを実現したい方にとっては、理想の選択肢になりえます。

古民家 梁

昔の古民家は良質な木材も豊富に採れ、今では考えられないほど贅沢に使用されている場合も多いです。
同じような太い柱や梁を新材で用意するとなると、かなりの費用がかかると考えられます。
また、同じような木材を見付けること自体大変かもしれません。
そんな良質な部材を使用していると聞くと中々見逃すわけにもいきせません。
こういった希少価値の高い部材をそのまま使えるという点も古民家再生の魅力のひとつです。

梁みせ天井

古民家再生のデメリット

古民家再生によるデメリットとしてあげられるのは、古民家の性能についてです。
手入れが行き届いている古民家であったとしても、気密性や断熱性、耐震性などは現在の新築住宅には基本的に及びません。
もちろん、古民家再生で性能を高めることはできますが、
長期優良住宅相当のレベルまで高めようとすると、それなりにまとまった費用がかかります。

費用

ケースによっては、新築住宅よりも割高になってしまう可能性もあるようです。
また、大掛かりな工事を進めていく上で、予期せぬ損傷や被害があった場合には計画に狂いが生じることも考えられます。
そういったことも踏まえて、古民家再生を試みる際にはじっくりと時間をかけて吟味する必要と、
古民家と新築住宅の違いをきちんと理解しておく必要があります。

古民家再生住宅の注意点

続いては、古民家再生の際に気を付けたい点を詳しく解説していきたいと思います。

注意点

古民家を選ぶときは状態に注意

一般的に、建築から50年以上経過している住宅を古民家と言います。
それぞれの古民家に歴史があるため状態は様々ですが、
中にはシロアリ被害にあっているものや強度が不足しているものもあります。
このような中古住宅を選ぶと、追加の工事が必要になるため再生するまでにそれなりのコストがかかります。
実際に解体してみないとわからないケースもあり、専門家の助けを借りつつ、
住宅の内部の状態まで隅々をチェックしてから古民家を購入することが重要です。

古民家チェック

②ライフラインにも注意

毎日の生活に欠かせない設備をライフラインと言いますが、
具体的にはガス・水道・電気・通信などがそれに該当します。
古民家の場合、これらのライフラインが老朽化していることや整備されていない場合があります。
また、設備として備わってはいるものの、現代の仕様とは合わず、
一式取り替えなければならない可能性も少なくありません。
ライフラインは快適に暮らすためには重要な部分です。
こちらも①の家の状態同様に費用がかさむケースもあるので、購入前に現在の設備の兼ね合いも含めて確認しておきましょう。

ライフライン

③依頼する施工会社に注意

施工会社選びを誤ると、理想のイメージには仕上がらず、住み心地も快適とは言い難いものになりかねません。
というのも、築年数が古い住宅というのは、現代と造りや構造、使用している材料も異なります。
また、先人の知恵と熟練された技術によって建てられているケースが多いです。
そのため、現在の住宅しか扱ったことがない職人さんには対応できないなんていうことも考えられます。

大工職人

お洒落な古民家を目指したのはいいけれど、見た目だけ良く、隙間風があったり、
断熱性能が悪いとなれば満足のいく古民家とは言えないでしょう。
そうならないためにも、古民家再生では施工会社選びがとても重要になります。
イメージのすり合わせをしっかり行ってくれて、メリット・デメリット、今後予想されるコスト面なども
きちんと説明してくれるような施工会社を選ぶことがポイントです。
また、古民家再生の実績などがあれば、経験を元に、理想のイメージに近い、
納得できる古民家に仕上げてくれる可能性が高まるでしょう。

古民家

古民家再生の流れ

古民家再生の流れはその家の状態や周囲環境によって異なります。
一般的に大規模なリノベーション工事を行う場合は以下の流れで進むことが多いとされています。

1.古民家の調査と実測

2.設計図の作成

3.解体工事と古材の選別・保管

4.嵩上げ

5.基礎工事

6.各種再生工事

7.お引渡し

古民家の調査では、不同沈下や雨漏り、シロアリ被害、改築・修理の有無などを確かめます。
嵩上げは、基礎工事を行うため古民家の骨組みを持ち上げることです。
各種再生工事の内容は様々で、土木工事、壁工事、電気工事などが考えられます。

古民家再生にかかる費用の目安

費用目安

古民家再生にかかる費用も古民家の状態によって大きく異なります。
簡単なリフォーム工事で済むこともあれば、フルリノベーション工事を行うこともあるからです。
水回り、内装、耐震工事、断熱工事など、本格的な工事を行う場合の目安は1500万円程度と言われています。
2000万円程度の予算があれば、建物全体を再生できるケースが多いとされています。
反対に、1000万円程度の場合は、部分的なリフォームにとどまるケースが少なくありません。
ただし、以上はあくまでも目安です。場合によっては古民家の個性を生かしつつ、
数百万円で満足できる古民家再生を行えることもあります。

古民家再生で理想を実現しませんか

古民家おしゃれ

いくつかの注意点はあるものの、こだわりの古民家マイホームを手に入れたい方にとっては
古民家再生は魅力的な選択肢です。
興味のある方は、この記事を参考にし、尚且つ慎重に検討を進めてみてはいかがでしょうか。
江尻建築では古民家再生の相談も承っております。
先代の残した良質なものを残しつつ、他にはないおしゃれな住宅を叶えてみるのも面白いかもしれません。
ご要望やお問合せはお気軽にご連絡ください。